豊食の時代に生きて

乾燥した空気の中に、キンモクセイの匂いがしたら秋だなと感じます。

ただ、鼻をヒクつかせているとムズムズしてきて、最後に「エッ!クッシュン」となります。秋の花粉も私を苦しめます。

くしゃみをしたからといって、「ハハハ~ン」とやってくるあやしい大魔王は飛び出てきません。たまにぎっくり腰になるのではと不安になる時があるくらいです。

 

空気は乾燥していても、弱くなってきた日差しのおかげで植物への水やりの回数が減り楽になりました。

その反面、乾燥対策に敷いていたコケの間からヒョッコリ顔を出してくる奴がいます。

芸人ではありません。キノコです。食べる勇気はありません。

雑草同様にどこから胞子がやってきたのかも分からず、気づいたら鉢の中に居座っています。

 

マツダスタジアムで夏に縦横無尽に伸びた草花をせん定していたら、木の根元から得体のしれない茶色の球体を発見しました。

一瞬、ハチの巣かと思いあわてた記憶が思い出されます。

調べてみたら「オニフスベ」というキノコの姿に一番近かったです。

若かりし頃は卵のように白くおいしく頂けるみたいです。発見時は茶色くなり灰色の胞子を振りまいていました。成熟した状態で不味いそうです。

こちらも食べる勇気はありません。

除草など作業をしているのにここまで大きくなるまで気がつかないとは不覚です。次回は成熟する前の白い状態で発見できればと思います。

食べる気はありませんが。

(文:ブルーナ春暁)